今年で入社11年目になります。
これは入社2~3年目にスタイリストデビューをした頃から指名して頂いたお客様の話です。
カラーにすごくこだわりをもっているお客様で、毎回3~4色のカラーを混ぜて染めていました。
当時の自分ではまだ知識と技術が不足していて、
成功する時もあれば、思った色が出ず店内で大声で怒鳴られたこともありました。
それでもなぜか毎回指名していただき、緊張しながら施術していたのを覚えています。
そんな時、そのお客様から突然、
「京都に転勤になったから、ここに来るのは次で最後になるよ。」と言われました。
驚いた反面、少し安心している自分がいました。
『これで緊張したり怒鳴られたりしなくて済む』と・・・。
すると当時の店長に、
「あんたさんざんお世話になったんでしょ?このままでいいの?」と言われ、ハッとしました。
自分のことばかりでお客様のことを全然考えてなかったと…。
店長の案でそのお客様のためにスタッフみんなの似顔絵と一言メッセージ、
そして写真をアルバムにしてプレゼントすることになりました。
最後の来店日、『お客様喜んでくれるかな…』と思いながらプレゼントを手渡しました。
それをみると、そのお客様は突然ポロポロと泣き始めました。
「あんたに今まで文句を言ったり、怒鳴ったりして本当にごめん。
でも上手くなってもらいたかったから言ったんだよ。
嫌われているかと思っていたけど、すごくうれしい!」
と言ってくれました。
そのとき初めて、『お客様に成長させていただいていたんだな・・・』と気付きました。
あれから8年経った今でもよく覚えています。
今ではその時の経験を生かし、社内でカラーのコーチとして指導しています。